設立総会イベントでのスニターさんの話

12月11日(日)、東京でNPO法人日本ラオス子どもの未来の設立記念イベントが開催された。ラオスから招かれたのは、ラオス子どもの家[i]で育ち、現在国営放送のアナウンサー兼レポーターをしているスニター・ピンマソンさん(29歳、女性)である。彼女は、7歳のとき両親が離婚し、母親から弟や妹を食べさせるために稼がなければならないことを教えられた。ラオスの首都ビエンチャンの中心部にある「クアラオ」という民族芸能を見せるレストランで踊り子をしながら学費を稼ぎ、高等教育も受け自立した。写真右の男性から踊りを教わったという。

彼女はスピーチで、「子どもの家で本と出会わなかったら、今の自分はなかった」と、何度も繰り返した。彼女が最初に自分の才能に気付いたのは、馬場のぼる作の童話『11匹の猫』(ラオス語翻訳版)に出会い、storytelling[ii]で他の子どもたちにお話を語って聞かせたことだった。各猫の鳴き声をいろいろ工夫して、語り分けるのが面白かったという。自分ひとりで複数の役柄を演じ分け、物語を完成させることで、彼女は自分の能力を開花させ力をつけていった。現在は、国営放送局で働いており、教育の力の大きさを改めて実感した。